腸の長さは全体で約7~9 mで、大きく分類すると小腸と大腸に分けられます。そのうち小腸は長さ6~7 m、主に栄養分の消化と吸収を行い、残った老廃物を大腸に送ります。

大腸は、消化管の最後尾に位置し、老廃物の水分を調整して便を作っています。この消化・吸収・排泄のプロセスで、腸は大きく分けて2つの運動を行います。ひとつは「分節運動」です。これは、小腸と大腸の両方で起こります。食べたものを運ぶしかんために、腸管が収縮と弛緩を繰り返して、食べ物の残りかすを撹拝する動きです。

そしてもうひとつは、「蠕動運動」と呼ばれる動きです。これは腸の内容物を肛門のほうに送り出す働きがあります。この「蠕動運動」の中でも、結腸全体、なかでも下行結腸からS状結腸にかけての強い収縮運動を「大蠕動」といいます。

この大蠕動は、1日3〜4回、食べ物や水分を摂ることをきっかけにおこります。この大蠕動は、特に朝に起こりやすく、朝食後に便意が起こりやすいのも、この大蠕動の動きのためです。

大蠕動は、自律神経(交感神経、副交感神経)や中枢とも連携している働きです。胃の中に食事や水分が入ると胃が刺激され、胃・結腸反射が起こった後に大嬬動が起こって、便が一気に直腸内に移動し、さらに便は肛門に向かって押し出され排泄されます。

しかしそれ以外にも、小腸と大腸に1億個もあるといわれる神経細胞が、大蠕動運動には深く関わっているのです。そのメカニズムは、腸管を内容物が通過すると、腸管の筋肉にある神経がこれを感知し、セロトニンという神経伝達物質を介して「腸管を動かせ」という命令を出します。つまりセロトニンによる連携が嬬動運動に繋がって、便を直腸まで動かし、排便を促すのです。

このように腸の動きは、交感神経、副交感神経、腸の神経細胞などの働きとも連動しています。身体的にも精神的にもストレスがあまりかからない状態では、これらの神経はバランスをとりながら働いていますが、強いストレスなどによってバランスが崩れると、腸の動きにも悪影響が出るのです。身体的ストレスとは、寒暖の変化、不規則な生活や食事など、精神的ストレスは、仕事や家族・人間関係などのプレッシャー、悩み、不安などがあげられますが、腸はこのようなストレスに敏感です。

便秘や下痢などで腸が正常に動いてない場合、身体や精神状態のバランスを見直す必要があります。腸の正常化を目指す方は、まず腸をきちんと動かすことを優先的にします。