腸内の乳酸菌が少ない場合は?
腸内の乳酸菌が少ない場合は? どうなるのでしょうか? 乳酸菌は免疫力を高めることをお伝えしましたが、少ない場合はどうなるのでしょう。
健康、美しさの重要ポイントは腸内環境が決める
腸内細菌は、非常にデリケート。生活環境の乱れやタバコ、アルコール、薬品といった、外的要因による腸内環境の悪化、また、便秘やストレス、間違った食習慣などが原因で、すぐにバランスを崩してしまいます。
肌に吹き出物や肌荒れが生じるのは、こうした腸内環境が乱れている場合です。便秘をするとニキビが出来る人は多いと思いますが、腸内環境が悪化しているからです。
しかし、それ以上に深刻なのは、老化によるバランスの乱れです。加齢により免疫力が低下するのと連鎖して、腸内細菌も変化します。人の細胞は 1 日に 1 兆個のペースで再生を繰り返しているといわれますが、この細胞の再生力が低下してそのリズムが狂ってしまうためです。
腸内細菌とその主となる人間は、共生関係にあり、相互に作用しあっていますから、免疫力の衰えと腸内細菌フローラの乱れは、どちらが因でどちらが果であるかははっきりしません。
老化による腸内細菌フローラの乱れとは、乳酸菌などの善玉菌が徐々に減少して、悪玉菌が優位となた状態です。そうなると、腸自体にトラブルが発生するのはもちろん、免疫力の低下によって風邪やアレルギーなどの痛気を起こしやすくなります。
自然治癒力も弱ってしまうため、なかなか回復しないままま、悪循環に拍車がかかり体のあちこちに害を及ぼし、結果的に全身の老化を早める、という悪循環に陥ってしまうのです。
乳酸菌は快便だけのためのものではない
便秘解消や美容効果だけが、乳酸菌の役目だと思っている人も少なくありません。目に見える効果としてはその程度かもしれませんが、本来の乳酸菌の活躍はそれだけではありません。もっと大切なことを、生命活動のなかで行っています。体の恒常性維持のために、次のような重要なはたらきをしているのです。
- 悪玉菌のを抑制したり、病原菌が腸内へ侵入するのを防ぐなど、腸内細菌フローラの安定性維持に腸内の食物の消化・吸収・代謝活動を助けたり、ミネラルの冊収収や排出をコントロール
- 腸内の酸性度合いを一定に保つことで腸内腐敗を抑え、下痢や便秘を防ぎ、有害物質や病原菌の増殖を抑える
- ビタミンB群、ニコテン酸、ビオチン、葉酸といったビタミン頬のほか、副腎皮質ホルモンや女性ホルモンなどのホルモンの合成の補助作業
- 大食細胞( マクロファージ) やNK細胞(ナチュラルキラー細胞)といった、免疫システムに関する白血球を活性化させるなど、免疫系の機能を高めてウィルスなどから体を防御
- ウイルスなどの異物の侵入を所定の細胞に知らせて、ウイルスの増殖や病気の発症を食い止める「インターフェロン」をつくり出す能力を高める
ほかにも、抗生物質の投与時や治療後に、乳酸菌製剤を合わせて摂ることの効用も確認されています。抗生物質は病原菌を抑えこみますが、有用菌まで退治してしまうことが少なくありません。それを補うために、乳酸菌が有勒な働きをします。
また、アレルギー症状をもつ子どもの腸内には、乳酸菌が少ないという報告もあります。
乳酸菌が減少すると、トラブルが急増する
それほど、腸内の乳酸菌(善玉菌) を優勢にしておくことは健康維持のために欠かせないのです。しかし、不安定でなかなか良好な状態を維持できない腸内細菌のバランスは、環境の微妙な変化や些細な原因ですぐに崩れてしまいます。乳酸菌が減ると、それまで抑えつけられていた悪玉菌がにわかに増殖し、活発に暴れ始めます。
それは、腸の老化に直結します。では、乳酸菌が減少して老けた腸を放っておいたら、一体どうなってしまうのでしょうか?
消化吸収力の低下
乳酸菌は、腸内で糖分を消費して乳酸菌や酢酸を生成します。乳酸菌が生成する乳酸や酢酸は、消化吸収を助けます。たとえば、カルシウムは乳酸を結合して乳酸カルシウムとなると、体内への吸収率が高まります。
腸内腐敗
乳酸菌は、悪玉菌の増殖を抑えるはたらきをしていますが、これがなくなると、腸内の腐敗が進み、硫化水素やアンモニアなどの毒素が発生し、それが全身へとまわってしまいます。口臭の原因にもなります。
免疫力低下
腸内の免疫細胞のはたらきをコントロールするのも、乳酸菌の重大な役目。乳酸菌が減ると免疫細胞の機能が低下したり判断力が正常に行われなくなり、過剰反応や健全な細胞の攻撃というトラブルを起こします。
ビタミン不足
細胞の新陳代謝に不可欠なビタミンB群を腸内で合成しているのも乳酸菌。ビタミンB不足は代謝をとどこおらせ、皮膚や粘膜の組織の悪化、たとえば、シミの増加や抵抗力の減退につながります。
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ホルモンの乱れ
神経伝達物質であるセロトニンをはじめとして、腸内では多くのホルモンがつくられます。乳酸菌が少ない状態ではそのホルモンバランスにも乱れが生じ、トラブルとなります。
病原菌に感染
外部から侵入する病原菌の多くは、乳酸菌がブロックして体を守ります。このガード役がいないと、病原菌は腸内で好き放題に繁殖し、それが風邪や食中毒などの感染症につながります。
腸のぜん動運動
便意を感じたり、スムーズに排便できるのは、腸がぜん動運動をして便を肛門まで運搬しているためです。
このぜん動運動を活発にするため、腸に刺激を与えているのが乳酸菌なのです。ですから、乳酸菌の不足は、ぜん動運動を鈍らせ、便秘や腸内の汚れの引き金となります。
こうしたトラブルが老化を早め、肌荒れ、便秘、花粉症、アトピー、肥満などを引き起こしたり、さらにひどくなると、肝機能障害、糖尿痛、心筋梗塞、脳梗塞、ガンなどの重症の病気へと発展します。
腸内の乳酸菌がいかに大切でまた、体の重要な役割を担っているかがわかります。
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