便秘で悩む人や、ダイエット中の人などは、よく腸内に溜まった宿便を出したい! という声を聞きますが、残念ながら宿便は存在しません。

また、消化器専門の医師に聞いても大腸の内視鏡検査でもそのような宿便の存在は確認できないと口を揃えます。

さらにいえば、医学的には宿便と便秘は同義語です。腸の動きが低下していると、排便をしてもスッキリせずに不快感が生じることがあります。
しかしそれは宿便が腸のヒダに張りついているのではなく、通常の便が排泄されきれずに残っているだけなのです。

しかし最近では、宿便と健康食品ビジネスが結びついているようで、宿便を出す酵素ジュースや野菜ジュース、お茶、サプリメントなどが多く発売されています。もともと宿便などないので、効果のはどは疑問ですが、このようなものを摂ることで、逆に腸内環境が悪化するケースもありますので注意してください。

さらに宿便をスッキリさせたい、ということで下剤を使う人がいるようですが、それは本末転倒です。逆に腸の状態が停滞してしまいます。人間の身体は思った以上によく出来ています。

腸は蠕動運動で常に老廃物を振り落としています。ですから便が腸内に残り続けて宿便になることはありません。また便が残っているような不快感があっても特別な対処をする必要はありません。流行の手法として自宅でコーヒー浣腸を行い、下剤依存に近いコーヒー浣腸依存になる方もいます。毎日コーヒー浣腸をするという異常な状態に陥ることもあるのです。

クリニックでも高圧浣腸を使用するケースがあります。高圧浣腸とは、チューブを使って肛門からぬるま湯を入れ、水圧を利用して排便を促す方法です。しかし処置に手間がかかるわりに便秘治療に決定的な効果があるわけではないので、一般的な対症療法として高圧浣腸を行っているクリニックは少数です。

しかし高圧浣腸は、一時的に貯留してしまった便を排泄させるには効果的です。自宅で行うコーヒー浣腸もそうですが、クリニックの高圧浣腸、さらに美容系クリニックで行っているコロン・クレンジング(腸内洗浄)も、習慣化すると、この浣腸なしでは排便できない状態に陥ります。

これは腸が自分で排便する力や健康になろうとする力を奪ってしまうんですね。この本の読者のみなさんには、宿便などという言葉にだまされず、もっと正しい腸のケア方法を知り、腸寿の道を歩んでいって欲しいと思っています。

まずは、腸ストレス改善する食生活からはじめましょう。