血液の汚れ「ドロドロ」は病気の原因に

「サラサラな血液が健康には欠かせない」というのは誰もが知っている情報です。こんなに血液の汚れに関心が高まったのは、ここ数年であると記憶しています。

漢方医学の世界では何千年も昔から、「血液の汚れがすべての病気の原点である」と考えられ、血液の流れが悪い状態をおけつ「於血」という概念でとらえています。
於血とは、簡単にいえば血液ドロドロのこと。汚れの正体は、主に尿酸や乳酸などの老廃物、コレステロールや中性脂肪などの余剰物です。

現代人は、血液の汚れが特に顕著だといわれます。その原因は、ストレスや運動不足、冷えなどさまざまですが、やはり一番の問題は食生活です。
実は、血液サラサラとドロドロの分かれ目には、腸内環境が大きくかかわっているのです。腸で吸収された栄養素は、血液に乗って体の末端まで行き渡り、全身の細胞に取り込まれます。そのとき、善玉菌が活発に働いて、腸内をきれいに保っていれば問題ないのですが、腸内細菌のバランスが悪く、悪玉菌のほうが優勢になっていると腸内腐敗が起こり、毒素が発生します。そして、腸や肝臓で解毒しきれなかった毒素や有害物質も、栄養素と一緒に血液に溶け込んでしまいます。

心臓から押し出された血液が、体内を一周して戻ってくるまでの所要時間は、たったの一分もかかりません。瞬く間に、腸内の汚れは全身に広がってしまうのです。きれいな腸はきれいな血液の基本。ですから、サラサラな血液を取り戻す第一歩は、腸の健康をチェックすることから始まります。

新陳代謝

血液の汚れは、血行を悪くします。つまり、血液の流れがとどこおると、栄養素だけでなく酸素も十分に行き渡らなくなります。さらに血液には、細胞に必要な物質を送り届けると同時に、不要になった老廃物を運び去り、それらを処理する腎臓や肺など適当な器官に受け渡すという重大な仕事があります。
こうした作業が滞った状態では、個々の細胞が元気にイキイキ活動することができません。私たちの体は、約60兆個にも及ぶ小さな細胞の集合体です。
では、細胞は何からできているのでしょうか。細胞の原料は、血液中の栄養分と酸素です。60兆個の細胞からできている人体ですが、その始まりは、卵子と精子が結合した、たった一つの細胞です。その細胞が、何度も何度も分裂を繰り返し、体をつくつたのです。細胞分裂は、母親の血液中にあった栄養分と酸素が胎盤を通して胎児に供給されるからできるのです。胎児が生まれ、へその緒をとると、自分の力で腸から栄養を吸収し、泣き声をあげると肺から酸素を取り入れ始めるのです。生命の始まりのときから、細胞は絶えず新陳代謝を繰り返しています。たとえば小腸の細胞は3 日、肌の細胞は28 日、赤血球は、120日で生まれ変わります。体全体で1 日に約1兆個の細胞が生まれ変わっているのです。
古い細胞が死に、新しい細胞に生まれ変わるというように、常に入れ替わりながら60兆個の細胞が正常にはたらくことで、体の若さや健康が保たれているわけです。裏返せば、個々の細胞が本来の機能を発揮できずに元気を失ったり、細胞の代謝が途絶えると、私たちの体からみずみずしさが奪われ、体内の精巧なメカニズムが狂うことを意味します。それは、老化の促進やさまざまな病気の発症に直結する事態だといっていいでしょう。
血液は、赤血球・白血球・血小板の3種類の血球と、液体成分である血祭からできています。体の60兆個の細胞は、この血液を頼りに生きています。赤血球は酸素を運び、白血球は細胞を傷める毒やウイルスを退治し、血小板は細胞に血液を運ぶ血管の補修をし、血漿は栄養分を与えます。血液に十分な栄養分や酸素がないと、細胞は正常な活動ができなくなります。また、毒やウイルスがあると、細胞はダメージを受けますし、血液が3分以上届かないと細胞は死んでしまいます。血液の質が、体の一つひとつの細胞の状態や寿命を左右するといえるでしょう。また、血液は細胞の再生(新陳代謝)にも大きな影響を与えます。細胞は、再生するときに血渠中の成分と元の細胞にあった物質を原料とします。血液に十分な栄養がなかったり、元の細胞の老廃物や毒性成分がそのままだったりすると、元気な細胞へと再生できません。ですから、全身の細胞をイキイキとさせ、細胞の再生をスムーズにさせるためには、血液の質を高めることが不可欠なのです。血液の質のキーポイントは、まさに「腸」にあります。よい食品を食べてよい腸内細菌バランスを保つことが、よい血液をつくり出すのです。