抗生物質の乱用で腸内環境が悪化自己治癒力が低下

乱れた腸を改善しないと慢性疲労は治らない、体を動かせないほどの疲労

体を動かせないほどの疲労が、6ヶ月以上の長期間続き、日常生活に支障をきたす病気を「慢性疲労症候群」と呼びます。この病気で困っている患者さんは、現在、全国で100万人いるといわれています。

このつらい症状に悩まされ、いくつかの病院で治療してもよくならなかったという人がたくさん来られます。私は、この慢性疲労症候群は、自己治癒力の低下によって起こると考えています。

そして、自己治癒力の低下を招く根本には、腸内環境の乱れが影響しています。そのメカニズムを簡単に説明しましょう。なんらかの原因によって腸内環境が乱れると、腸内の善玉菌減少し、カンジグ菌や酵母菌が増殖します。これらの菌からは菌糸といわれる糸状の触手が伸び、腸粘膜を傷つけます。

すると、腸の粘膜にすきまができて、通常では吸収されない(通れない)大きな物質が、血も液中に漏れ出てしまうのです。これを、「リーキーガット症候群」といいます。のリーキーガット症候群では、食物に含まれる毒素が体内に入ってきて炎症を起こします。

これが、慢性疲労症候群に伴うさまざまな症状の原因となるのです。重金属などが腸内を通過して血液中から細胞内に入ると、「ミトコンドリア」という細胞内器官の機能が低下します。

さらに、カンジタ菌や酵母菌は、有機酸という物質を体内に放出します。それも、細胞内のミトコンドリアの機能を低下させる原因となります。

ミトコンドリアは、全身の細胞の中にあって、エネルギーを産出する働きを持っています。つまり、エンジンのような役割です。その機能が障害されると、細胞がきちんと働けなくなります。

その結果、さまざまな慢性疲労の病態が現れてくるのです。ですから、根本原因である腸を改善しなければ、慢性疲労症候群は治りません。ほかの病院で治療してもよくならないのは、それだけ腸の治療をしている医師が少ないということでしょう。リーキーガット症候群は、「遅発型食物アレルギー」も引き起こします。

遅発型食物アレルギーとは、食物をとってすぐにアレルギー症状が現れる、一般的な食物アレルギー(即時型食物アレルギー)と異なり、食物を摂取したあと、数時間から数日後にアレルギー反応が現れるものです。遅発型食物アレルギーの検査を行って、特定の食物にアレルギー反応が出ると、多くの医師はその食物を食べないように指導します。

しかし、これも原因は腸の異常(リーキーガット症候群)にあるので、食物を除去することが解決にはなりません。ただ、遅発型食物アレルギーの検査は、腸の状態を知る指標として役立ちます。

アレルギーの状態がひどければ、それだけ腸の状態が悪いということです。逆にいえば、腸の状態がよくなれば、アレルギー反応が出た食物も除去する必要がなくなるのです。

いくつかの症例です。Aさん(20代・女性) は、全身倦怠感があって小学生のときから朝起きられず、10年間学校に通えませんでした。

遅発型食物アレルギー検査をすると、ほとんどの食材に強いアレルギー反応がみられました。治療を行ったところ、半年たったころから、Aさんの全身倦怠感の症状が改善したのです。9ヶ月後に再度行った検査では、食物アレルギーの反応も随分へっていました。

一方で、即時型食物アレルギーの場合は、食物にはじゅうぶん注意しなければなりません。とはいえ、即時型食物アレルギーにおいても、腸内環境を整えることはとても重要です。

食品添加物のとりすぎにも注意しよう!

では、腸内環境を悪くする原因は何でしょうか。1つには、抗生物質の使いすぎがあります。全身に炎症があり、あちらこちらの病院で2ヶ月にわたって抗生物質を投与されていた1歳の女の子が来院したことがあります。

食事もできなくなり、46kgあった体重は36kgに激減していました。抗生物質の長期服用で腸内環境が乱れ、病態が悪化していたことは明らかです。

抗生物質は、肺炎や慢性副鼻腔炎などを起こしているときは、確かに必要です。しかし、長期服用すると、腸内細菌がかなりダメージを受一けます。

その結果、自己治癒力が著しく低下するのです。抗生物質を長期問飲んでも効かないのは、自己治癒力が低下しているからです。抗生物質で病原菌を殺すだけでなく、自己治癒力を高めるサポートをしなければ、腸内環境が悪くなり、病態は悪化する一方です。

また、食品添加物のとりすぎも腸内環境に大きく影響しています。食品を選ぶときは、食品添加物の少ない食品、安心して食べられる食品を、意識して選ぶようにすることが大切です。

ただし、その意識も過剰になる必要はありません。それが、かえってストレスになってもよくないからです。腸内環境が整えば、少しぐらいなら、よくないものを口にしても体が解毒してくれるはずです。まずは、腸の健康づくりに取り組んでください。

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長寿者の腸を調べてわかった!腸の若さを保つのは食後の昼寝

副交感神経が優位のリラックス状態が二重丸

昔からよく、食べてすぐに横になって寝ると「牛になる」とか、「行儀が悪い」といわれてきました。ところが、「たけしの家庭の医学」(テレビ朝日系列)という番組では、大変興味深い内容が紹介されていました。それが、「昼食後の昼寝は健康長寿の秘訣だ」ということです。

その番組では、107歳になる、あるおばあさんを紹介していました。普通、年を取ると腸内の代謝が低下するので善玉菌が育ちにくくなり、腸内環境が悪化しがちです。それなのにこのおばあさんは驚くほど若々しい腸内環境を維持していました。

このかたは、昼食後の1時間の昼寝が日課だというのです。食後の昼寝は、健康にいいのでしょうか。消化器専門医の私から見ると、非常にいいことと考えられます。まず、最初の理由は、血液の働きを考えた場合です。食事をしたあと、血液は消化吸収の働きをサポートするために、胃腸に集まります。

ところが、食べてすぐに運動や仕事などの活動を始めると、手足の筋肉や脳に血液が集まり、胃腸に血液がいかなくなってしまうのです。すると、消化に時間がかかり、消化不良を招きます。

この点から、「食休み」は、とても大切なことといえるのです。次に、昼寝をすることが、腸内環境をよくすると考えられるからです。私たちの内臓は、意志とは関係なしに働く自律神経が支配しています。自律神経は、交感神経と副交感神経が、アクセルとブレーキのように括抗して働いています。そもそも腸は、副交感神経が優位になると動きだし、逆に交感神経が優位になると動きを止めます。

つまり、昼寝は完全に全身リラックス状態なので、副交感神経が優位になり、腸の動きがよくなるわけです。

ぬかみそ同様に毎日こねることが大事

それでは、腸が動くとは、どういうことでしょう。腸が動くとは、ぜん動運動が起こっている状態です。ぜん動運動は、腹の内容物を肛門に向かって押し出す動きです。しかし、それとかくはんとともに、腹の内容物を撹拌する動きでもあります。この撹拝が非常に重要です。

腸の中には、100兆個といわれるほど、多くの腸内細菌が棲息しています。腸内細菌は、人が消化できない栄養分を分解して吸収できるようにしたり、たんぱく質やビタミンなどの栄養素の合成にかかわったり、私たちの体に不可欠な働きをしているのです。

ちなみに、腸内細菌をすべて集めると1kgにもなり、排出される便の固形成分の3分の1は腸内細菌の死骸といわれています。

便として出ていく量も多いので、健康を保つためには、新たに腸内細菌をふやしていかないといけません。その腸内細菌は、食べ物として摂取した栄養物と細菌がよく混ざらないと、発酵が進まず、増殖できません。

ぬかみそと同じ原理です。そこで、リラックスをしてぜん動運動を起こし、栄養物と細菌がよく撹拝されるようにすることが必要なのです。これにより、腸内で発酵が進み、腸内細菌が活性化します。こうした観点から、お昼を食べたあとに昼寝をすると、腸内環境がよくなり、健康増進に役立つのです。

食後の昼寝は、腸内環境を改善するための、ゴールデンタイムといってもいいでしょう。ただし、食後に胸やけがある人は、食後の昼寝は注意してください。胸やけを起こす人は、胃酸が食道に逆流している可能性があります。

食後、胃酸が活発に出ているときに横になると、逆流して食道にくる危険が高まるからです。胸やけを起こす人は、食後に横にならず、座ったまましばらく安静にする時間を確保しましょう。

ところで、107歳のおばあさんの食生活は、いろいろと多彩な食品を食べるというものでした。そのため、栄養バランスもよく、それもあって腸内環境の若さが保たれていたのでしょう。ちなみに、腸内環境を良好に保つうえで、便秘や下痢は大敵です。便秘が続くというのは、腸のぜん動運動が不活発な証拠ですし、下痢をすると、発酵して生成された腸内細菌が、働く問もなくすぐに排出されてしまうからです。

便秘にならないためには、とにかく朝起きたら、水なり食べ物なりを胃に入れる習慣をつけるといいでしょう。すると、胃にものが入った刺激が大腸に伝わり、大腸が動きだします。これを胃結腸反射といいます。そして、S状結腸にたまっていた便が直腸に落ちることで、便意を感じるのです。いろいろなものを食べて栄養バランスをよくし、食後はゆつたりと食休みをして腸内環境を整えることが、健康長寿につながるでしょう。

どうしても自力で排泄できない頑固な便秘持ちの人は特定保健用食品のイサゴールがおすすめです。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスがよく自然な排便が可能です。ゆるくなりすぎた場合は量を減らすだけで調整可能です。

腸を洗浄!梅湯流しでたまった宿便が排泄、3日で2kgの減量も

耳の調子が回復!視界もクリアーになった

梅干しにはさまざまな健康効果がありますが、便秘解消の効果もかなりのものです。私は、梅干しのデトックス効果、つまり毒出しパワーを、身をもって実感しています。その体験から、お話ししましょう。

もう7年ほど前のことです。私は、知人から問いて知った、ある断食合宿に参加しました。断食合宿の目的は、腸内で長期間滞った便、いわゆる宿便を取ること。体内の老廃物を排出することで、ダイエットや体質改善、健康の回復に役立てようというものでした。

2泊3日の合宿で、1日めの夕食と2日めの食事を抜き、3日めの朝に、毒出しをします。それが、今回ご紹介する「梅湯流し」です。

断食明けに口にするものというと、重湯やおかゆが最適かと思いがちですが、お米は食欲を増進させる力がとても強いのでリバウンドを防ぐためにも、梅湯流しがお勧めです。

参加者は、たっぷりのダイコンを煮た汁に、梅干しをつぶし入れます。梅干しを口にしながら、まず煮汁を飲み、その後、煮たダイコンを食べるのです。合宿の参加者は40名で、ほとんどの人が、食後30分から1時間以内に、トイレに駆け込みました。そして、食堂とトイレを、何度も行き来します。

くいう私も、その一人。煮汁をどんぶりに2杯飲み、ダイコンを2切れ食べたあたりから、腹部に違和感を覚えました。

ほとんど水のような便に続き、ふだんと違う、ウサギのフンのような便がポロポロと出てきます。周りの人の話でも、コロコロ便や、黒い便など、いつもとは違う便が出たそうで、やはりこれが宿便かと納得しました。

私はこの合宿で、2kgもやせることができました。さらに、耳の聴こえがよくなり、視界もクリア。味覚も鋭敏になりました。五感が研ぎ澄まされ、頭も働き、そのシャープな感覚がしばらく持続したのです。

この体験に味をしめた私は、少し太ったかなというときに、自宅でも、プチ断食と梅湯流しをするようになりました。

断食は、例えば金曜日の夕食と、土曜日の朝食・昼食を抜きます。そして、夜に梅湯流しをするのです。これなら週末だけでできますし、翌日は日曜日なので、自分のペースで体調を戻せるので、安心・安全です。

梅干しは洗剤でダイコンはタワシの役割

なぜ、梅干しとダイコンが、これほど強烈なデトツタス効果を生むのでしょうか。梅干しには、有機酸の1つであるクエン酸が豊富に含まれています。これが、洗剤のような役割を果たし、腸のぜん動運動を促します。

一方、食物繊維がたっぷりのダイコンの役目は、いわばタワシです。つまり、梅湯流しは、洗剤入りのお湯がドッと流れた腹の中を、タワシでゴシゴシ洗うようなものなのです。

腸の中は、断食明けでスカスカですから、細かいひだの中まで、きれいになるというわけです。

梅干しのメリットは、ほかにもあります。断食をすると唾液が出にくくなりますが、梅干しが唾液と胃液の分泌を促進し、胃腸の働きを助けます。また、優れた疲労回復効果があるため、断食後に、エネルギー不足から感じられる疲れの解消にも役立ちます。

梅干しというと、塩分を気にするかたもいますが、実は梅には、ナトリウムを体外に排出する作用があるカリウムも、豊富に含まれています。医師から食事指導を受けているかたでなければ、さほど気にすることはないでしょう。ぜひ皆さんも、梅干しの毒出しパワーをお試しください。

クエン酸の働きはこちら。

甘いものを控えているときにできるだけ体に負担をかけないデザートは?

甘いものが苦手という女性はほとんどいません。これは、女性ホルモンが影響していると言われていますが、特に明確な理由はわかっていません。男性がたばこやお酒をやめることが難しいように女性も甘いもの断ちしているときはストレスがたまります。

「糖質OFFダイエットでご飯やパンを控えているのに甘いものをたくさん食べてしまう!」という女性が多いものです。それもそのはず。ご飯やパンに含まれる糖質を摂っていないから、余計に糖質たっぷりの甘いものが食べたくなるのです。これは人間の体の仕組みですから致し方ない部分もあります。

ただし、腸ストレスの観点からみると、穀物には食物繊維が含まれますから、できればご飯やパンはきちんと摂ったほうが結果的にダイエットの近道だったりします。特に小食なんかは最近、流行のダイエット方法ですが、実はNGだったりします。流行の少食、断食などが及ぼす悪影響にあるように、結果ダイエットができても腸内環境があれてしまい、肌荒れ、肩こりなどの症状がてきめんにでるようになってしまうのです。
一番いいのは、ご飯を3食、しっかり食べておやつをやめる!が一番でしょうか?

とりあえず、甘いものを断っているときのデザートについてですが、こういう方には、食物繊維の多い小麦ふすま(ブラン)のシリアルがお薦めです。このシリアルにヨーグルトをかけて食べれば快便です。

しかし中には、ダイエットとは関係なく、甘いものを止められないという人もいます。こういった方には、お通じを助けてくれるデザートがお薦めです。

まずは「温リンゴ」です。半分に切ったリンゴを、電子レンジ(500W)で2分ほど加熱するだけで完成です。それで物足りないという人には、ヨーグルトなどをお好みで添えて、シナモンをかけるとおいしいです。アイスなら、食物繊維が1カップに6g以上含まれる「カロリーコントロールアイスクリーム」がお薦めです。

添えれば、立派なデザートになります。

もう1つが「温バナナ」。これは皮付きのバナナを電子レンジ(500W)で1分半ほど加熱します。そこに、練った純ココアを好みでかければ、完成です。遅くに食事をすることが多い生活習慣の場合、ついついだらだらと食べ過ぎてしまうことが多くなる傾向が強いです。しかし、温リンゴをデザートとして取り入れることで、食事の量を逆に減らすことができます。

温めるのがポイントで腸にストレスがかからないようにします。

甘いものがほしいときには、ドライフルーツもいいでしょう。食物繊維が豊富に詰まったアンズやイチジク、プルーンや干し柿なら、お腹の働きを助けてくれます。購入するときに、成分表をデェックして、砂糖や油などを使っていないものを選ぶのがいいでしょう。

甘いお菓子は好きじゃないという人は、おせんべいに海苔が巻いてあるものを選ぶと海苔の食物繊維が摂れるのでおすすめです。海苔にこれほどの栄養があることを知らない人が多いのですが、海苔はすばらしい食品です。

脳は肉が大好物、腸は野菜(食物繊維)が大好物

植物は動物に欠かせない食べ物です。植物(野菜、果物、穀類) の摂取が不足すれば、代謝そのものに不備が生じます。つまり、私たちの体は植物を求めている。だとすれば、植物こそ腸にとって望ましいもの、相性がいい食べ物ということになります。(ライオン、トラなどの肉食動物は、ヒトと腸内細菌がまったく違うので、比較の対象外としています)。

腸内にいる善玉菌のエサも糖(炭水化物)ですから、糖を上手に摂ることで腸内環境も劇的に改善されていくのです。

これに対し、「肉」は腸との相性があまりいいとは言えません。私たちの体に近い分、腸に取り込んだ際に異物として認識されやすく、また、肉類に含まれる動物性タンパク質は悪玉菌のエサになるため、摂りすぎは腸内腐敗を招くリスクもあります。

もちろん、腸との相性が悪い肉類をすべて排除すれば健康になれるかと言うと、そう単純なものではありません。たとえば、人は肉を食べることによってタンパク質や脂肪の摂取量を増やし、脳を肥大化させてきた側面があります。
つまり、人類は肉食によって知恵を身につけ、ここまでの繁栄を築いてきた現実があるわけです。人をヒトたらしめ、自分という存在をここに成り立たせているものの源泉はじっは肉食にある。そう考えれば、腸との相性が悪いという理由だけで、肉食を否定するのは間違っていることが理解できます。

大事なのは、何事にもプラス面とマイナス面があるということです。脳を肥大化させ、知恵を身につけたことで人は繁栄を手に入れましたが、逆に脳が大きくなりすぎることで動物としての感覚を後退させてしまいました。肉食が、ヒトを頭でっかちにさせてきた面もあるのです。

もっとも、腸と相性のいいはずの植物も、白砂糖のように精製して自然な状態から遠ざけてしまうと、相性がどんどん悪くなっていきます。すぐにエネルギーに変換される分、脳が喜ぶ形になっていきますが、それは決して「体にいいこと」ではないでしょう。

「肉」と「精製した糖質(白砂糖、小麦粉)」の組み合わせで思い浮かぶのは、たとえば、ハンバーガー、牛井やカツ井、脂たっぷりのラーメン、そのあとさらに別腹のスイーツ 。現代食は、「脳が喜ぶ食事」のオンパレードなのです。●要するに、脳が喜ぶ食事に傾くことで、「腸が喜ぶ食事」がおざなりになっているのです。