下痢は無理に止めないのが正解

下痢の原因は、ある意味便秘よりも多様です。それゆえに、下痢を止めるのが得策でない場合が多いことも大事な対処方法です。

まず小腸で起こる下痢は、主に食べ物を食べ過ぎたり、飲み過ぎたりしたときに起こります。腸粘膜の働きが弱くなり、腸の内容物から水分が吸収できなくなると、便の水分が増えて水様便といわれる状態になります。

またお腹を冷やしてしまったときも、腸粘膜の働きは弱くなるといわれています。しかし小腸で起こる下痢は、いずれも一時的なものが多いのですが、続く場合もあるのです。

次は、大腸ですが、下痢の原因は嬬動運動が活発になりすぎたり、粘液の分泌が多すぎたりするために起こり、腹痛を伴うことが多いのが特徴です。一方急性で起こる下痢のはとんどは、ウィルスが原因です。代表格は冬場に流行するノロウィルスです。胸のむかつきと嘔吐から水っぽい下痢が急に始まり、4~5日は続くのが一般的です。

さらに中には0-157のように細菌や毒素で起こる下痢もあります。ウィルスに比べ、病原性が強いので激しい症状が現れ、症状の大きな目安として血便がポイントになります。

また下痢・血便が長く続く場合には、潰瘍性大腸炎やクローン病を発症している可能性もあります。このように下痢は原因が多様なため、その原因を突き止めたうえでの治療が有効になります。ですから下痢になったからといってすぐに「下痢止め」を服用するのは、おすすめできません。

そもそも便そのものは、ある意味で老廃物なので、体内に溜めず外に出すべきなのです。特に0-157などは「下痢を完全に止めること=菌を体内に保有すること」になるため、下痢止めは禁忌なのです。

下痢止めが有効な場合もありますが、これは確実に診断のついた下痢型の過敏性腸症候群や、機能性下痢に限られます。ですから一度は大腸内視鏡検査を受けて、異常がないことを確認してから服用することが大切なのです。このような理由から、下痢止めはよはど困ったとき以外の使用は控えてください。

また下痢のときには、整腸剤、下痢止め、腸管運動抑制剤などを使用すると思いますが、この中で安全なのは整腸剤です。整腸剤は、腸内の善玉菌を増やし有害細菌の増殖を抑える作用があります。整腸剤を服用しても下痢が治まらない場合は、専門医の受診をおすすめします。

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おなら対策

出物腫れ物ところ嫌わず、の代表格の「おなら」。一体おならって何なのでしょうか?おならの正体は、実はその7割が「飲み込んだ空気″」です。そして2割が血液から腸管内に拡散したガス、残りの1割は腸内細菌が食べ物を分解した際に発生するガスです。

またおならの量は、食べ物や体調、消化液の量などにもより個人差がありますが、一般的には1日のおならの量は500~2000mlほど、回数は5〜20回程度です。

またおならの主成分は、飲み込んだ空気ですからその成分は、窒素、水素、炭酸ガス、酸素といった無臭のガスで、臭いはそんなにありません。おならの大部分は空気なのですが、これは炭酸飲料の摂取や早食いによる、口から飲み込む空気が原因です。お腹のガスは誰にでも存在するのです。

さらに臭いに関しては、肉やねぎ類などの硫黄の多い食べ物が体内で分解される際に発生するガスや、ストレスなどによって腸内に悪玉菌が増殖し、溜まったタンパク質の腐敗が原因です。

おならの臭いを抑えるためには、栄養バランスの取れた食事をよく噛んでゆっくりと摂り、腹八分目を心がけることが大切です。
そしておならと停滞腸と便秘の関係についていいますと、まず便秘の方は、腸に老廃物を溜め込んでいるわけですから、腸内に悪玉菌が増え、インドールやスカトールといった有害物質やガスが溜まった状態になります。その溜まったガスのために下腹がポッコリの状態になり、そのガスが溜まった分だけおならが頻繁に出るわけです。

また有害物質が腸に増えた悪玉菌に影響して、きつい臭いになってしまう傾向にあるのです。普通の人でもお腹のガスは毎日約2Lはど排出されます。しかしガスが溜まる症状が出ている人は、多い人ではガスの量が4Lにもなっているケースがあるのです。

もともとガスは臭いがそれはどありませんが、前述した理由により、ひどい停滞腸の人はど腐敗臭に似た臭いになってしまうのです。おなかに溜まったガスの逃げ場はおならとして出すしかなく、我慢すると身体によくありません。また我慢を繰り返していると日常的に腹部の膨満感に陥ります。

たかがおなら、されどおならという感じですが、便同様に自分のおならにも注意してみてください。そこには、早食い、食生活、便秘、悪玉菌の増加などなど、腸寿の敵とも呼びたい意外な情報がたくさん含まれているのです。

便秘が習慣化している人のうんちもおならも臭くなるのが一般的です。まずは、イサゴールで便秘を解消しましょう。

腸の運動について

腸の長さは全体で約7~9 mで、大きく分類すると小腸と大腸に分けられます。そのうち小腸は長さ6~7 m、主に栄養分の消化と吸収を行い、残った老廃物を大腸に送ります。

大腸は、消化管の最後尾に位置し、老廃物の水分を調整して便を作っています。この消化・吸収・排泄のプロセスで、腸は大きく分けて2つの運動を行います。ひとつは「分節運動」です。これは、小腸と大腸の両方で起こります。食べたものを運ぶしかんために、腸管が収縮と弛緩を繰り返して、食べ物の残りかすを撹拝する動きです。

そしてもうひとつは、「蠕動運動」と呼ばれる動きです。これは腸の内容物を肛門のほうに送り出す働きがあります。この「蠕動運動」の中でも、結腸全体、なかでも下行結腸からS状結腸にかけての強い収縮運動を「大蠕動」といいます。

この大蠕動は、1日3〜4回、食べ物や水分を摂ることをきっかけにおこります。この大蠕動は、特に朝に起こりやすく、朝食後に便意が起こりやすいのも、この大蠕動の動きのためです。

大蠕動は、自律神経(交感神経、副交感神経)や中枢とも連携している働きです。胃の中に食事や水分が入ると胃が刺激され、胃・結腸反射が起こった後に大嬬動が起こって、便が一気に直腸内に移動し、さらに便は肛門に向かって押し出され排泄されます。

しかしそれ以外にも、小腸と大腸に1億個もあるといわれる神経細胞が、大蠕動運動には深く関わっているのです。そのメカニズムは、腸管を内容物が通過すると、腸管の筋肉にある神経がこれを感知し、セロトニンという神経伝達物質を介して「腸管を動かせ」という命令を出します。つまりセロトニンによる連携が嬬動運動に繋がって、便を直腸まで動かし、排便を促すのです。

このように腸の動きは、交感神経、副交感神経、腸の神経細胞などの働きとも連動しています。身体的にも精神的にもストレスがあまりかからない状態では、これらの神経はバランスをとりながら働いていますが、強いストレスなどによってバランスが崩れると、腸の動きにも悪影響が出るのです。身体的ストレスとは、寒暖の変化、不規則な生活や食事など、精神的ストレスは、仕事や家族・人間関係などのプレッシャー、悩み、不安などがあげられますが、腸はこのようなストレスに敏感です。

便秘や下痢などで腸が正常に動いてない場合、身体や精神状態のバランスを見直す必要があります。腸の正常化を目指す方は、まず腸をきちんと動かすことを優先的にします。

腸の基本機能「消化」「吸収」「排泄」

腸の健康を考える場合、まず腸の機能を知っておくことは最低限必要です。人間の腸は、口から肛門まで続く長い管状の消化器の一部です。長さは、7~9 mで、広げるとテニスコート1面分もの表面積になります。

腸は、「小腸」と「大腸」に大きく分かれます。胃から続くのが小腸、その小腸から続くのが大腸です。小腸は、さらに胃から近い順に、十二指腸、空腸、回腸に区分されます。それに続く大腸は、肛門に向かって、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸と続きます。

人体での腸の主な役割は「消化」「吸収」「排泄」の3つです。これらが、どのようなルートで行われるかというと、まず口から摂った食べ物は、唾液とともに噛み砕かれ、食道を通って、胃に入ります。胃では胃液によって消化されてかゆ状になり、それが十二指腸に送られます。そこで胆汁や膵臓の消化液などによって、さらに消化され、分解。1食分の食べ物が胃と十二指腸を通過するのにかかる時間は二四時間です。そこから空腸、断腸に運ばれて、さらなる消化と栄養素の吸収が行われます。そこで残ったかすは、どろどろの液体状です。

それが小腸(水分の約90% は小腸で再吸収)と最終的に結腸で水分を吸収され、固形の便になるのです。一般的に18時間以上かけて、結腸を通過します。そして直腸に押し出される時点では、完全に便になっており、さらに便が直腸に移行すると便意が起こり、肛門から排泄されるのです。

さらに腸には、他にも知られざる働きがあります。デトックス(排毒)療法の第一人者でおある大森隆史医師によれば、水銀などの有毒金属や有害化物質、老廃物を合わせた毒素のうち、75%が便として排出されるといいます。

ちなみに残り20% が尿、汗3 % 、さらに1%が毛髪と爪だということです。腸というのは、人体のデトックス機能も担っているということなのです。

この場合の毒素とは、体外から侵入する食品添加物や残留農薬、汚染物質など。そして腸内でこれらの毒素が集まり、ときに相互作用を起こしながら有毒物質や有毒ガス、活性酸素などを溜め込んでいくのです。腸がきちんと機能していなければ、栄養素の消化・吸収がうまくいかないだけではなく、体内に毒素が溜まり、老廃物の排泄も滞ります。そして腸の健康からは遠くなり、免疫力や美容にも大きく影響していくのです。

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宿便は存在しない

便秘で悩む人や、ダイエット中の人などは、よく腸内に溜まった宿便を出したい! という声を聞きますが、残念ながら宿便は存在しません。

また、消化器専門の医師に聞いても大腸の内視鏡検査でもそのような宿便の存在は確認できないと口を揃えます。

さらにいえば、医学的には宿便と便秘は同義語です。腸の動きが低下していると、排便をしてもスッキリせずに不快感が生じることがあります。
しかしそれは宿便が腸のヒダに張りついているのではなく、通常の便が排泄されきれずに残っているだけなのです。

しかし最近では、宿便と健康食品ビジネスが結びついているようで、宿便を出す酵素ジュースや野菜ジュース、お茶、サプリメントなどが多く発売されています。もともと宿便などないので、効果のはどは疑問ですが、このようなものを摂ることで、逆に腸内環境が悪化するケースもありますので注意してください。

さらに宿便をスッキリさせたい、ということで下剤を使う人がいるようですが、それは本末転倒です。逆に腸の状態が停滞してしまいます。人間の身体は思った以上によく出来ています。

腸は蠕動運動で常に老廃物を振り落としています。ですから便が腸内に残り続けて宿便になることはありません。また便が残っているような不快感があっても特別な対処をする必要はありません。流行の手法として自宅でコーヒー浣腸を行い、下剤依存に近いコーヒー浣腸依存になる方もいます。毎日コーヒー浣腸をするという異常な状態に陥ることもあるのです。

クリニックでも高圧浣腸を使用するケースがあります。高圧浣腸とは、チューブを使って肛門からぬるま湯を入れ、水圧を利用して排便を促す方法です。しかし処置に手間がかかるわりに便秘治療に決定的な効果があるわけではないので、一般的な対症療法として高圧浣腸を行っているクリニックは少数です。

しかし高圧浣腸は、一時的に貯留してしまった便を排泄させるには効果的です。自宅で行うコーヒー浣腸もそうですが、クリニックの高圧浣腸、さらに美容系クリニックで行っているコロン・クレンジング(腸内洗浄)も、習慣化すると、この浣腸なしでは排便できない状態に陥ります。

これは腸が自分で排便する力や健康になろうとする力を奪ってしまうんですね。この本の読者のみなさんには、宿便などという言葉にだまされず、もっと正しい腸のケア方法を知り、腸寿の道を歩んでいって欲しいと思っています。

まずは、腸ストレス改善する食生活からはじめましょう。