抗生物質の乱用で腸内環境が悪化自己治癒力が低下

2021年6月4日

抗生物質の乱用で腸内環境が悪化自己治癒力が低下 するという悪循環についてです。体を動かせないほどの疲労が 6 ヶ月以上の長期間続き、日常生活に支障をきたす病気を 「 慢性疲労症候群 」 と呼びます。この病気で困っている患者さんは、現在、全国で 100 万人いるといわれています。
「 慢性疲労症候群 」 とは、身体診察や臨床検査で客観的な異常が認められない状況で、日常生活を送れないほどの重度の疲労感が長期間続く状態をいい、その原因は、身体的なもの、精神的なものを含め分かっていません。 患者には説明がつかない疲労が 6 カ月以上継続します。あちこちの病院に行っても原因がわからずに疲弊してしまいます。

抗生物質 危険 摂腸内細菌が死滅してしまう

乱れた腸を改善しないと慢性疲労は治らない、体を動かせないほどの疲労

体を動かせないほどの疲労が 6 ヶ月以上の長期間続き、日常生活に支障をきたす病気を 「 慢性疲労症候群 」 と呼びます。この病気で困っている患者さんは、現在、全国で 100 万人いるといわれています。

このつらい症状に悩まされ、いくつかの病院で治療してもよくならなかったという人が多数いらっしゃいます。この 「 慢性疲労症候群 」 は、自己治癒力の低下によって起こると考えています。

そして、自己治癒力の低下を招く根本には、腸内環境の乱れが影響しています。そのメカニズムを簡単に説明しましょう。なんらかの原因によって腸内環境が乱れると、腸内の善玉菌減少し、カンジダ菌や酵母菌が増殖します。これらの菌からは菌糸といわれる糸状の触手が伸び、腸粘膜を傷つけます。

すると、腸の粘膜にすきまができて、通常では吸収されない(通れない)大きな物質が、血も液中に漏れ出てしまうのです。これを 「 リーキーガット症候群 」 といいます。

下痢や便秘、疲労感、肌荒れ、アレルギーといった身体の不調の原因は、リーキーガット症候群の可能性があります。 リーキーガットとは、腸壁バリアが壊れて隙間ができ、腸内にあるべき細菌や食物成分が身体の中に入ってしまう現象で、身体のさまざまな不調と深い関係があります。

このリーキーガット症候群では、食物に含まれる毒素が体内に入ってきて炎症を起こします。これが、慢性疲労症候群に伴うさまざまな症状の原因となるのです。重金属などが腸内を通過して血液中から細胞内に入ると、「ミトコンドリア」という細胞内器官の機能が低下します。

さらに、カンジダ菌や酵母菌は、有機酸という物質を体内に放出します。それも、細胞内のミトコンドリアの機能を低下させる原因となります。

ミトコンドリアは、全身の細胞の中にあって、エネルギーを産出する働きを持っています。つまり、エンジンのような役割です。その機能が障害されると、細胞がきちんと働けなくなります。

その結果、さまざまな慢性疲労の病態が現れてくるのです。ですから、根本原因である腸を改善しなければ、慢性疲労症候群は治りません。ほかの病院で治療してもよくならないのは、それだけ腸の治療をしている医師が少ないということでしょう。リーキーガット症候群は、「遅発型食物アレルギー」も引き起こします。

遅発型食物アレルギーとは、食物をとってすぐにアレルギー症状が現れる、一般的な食物アレルギー(即時型食物アレルギー)と異なり、食物を摂取したあと、数時間から数日後にアレルギー反応が現れるものです。遅発型食物アレルギーの検査を行って、特定の食物にアレルギー反応が出ると、多くの医師はその食物を食べないように指導します。

しかし、これも原因は腸の異常(リーキーガット症候群)にあるので、食物を除去することが解決にはなりません。ただ、遅発型食物アレルギーの検査は、腸の状態を知る指標として役立ちます。

アレルギーの状態がひどければ、それだけ腸の状態が悪いということです。逆にいえば、腸の状態がよくなれば、アレルギー反応が出た食物も除去する必要がなくなるのです。

いくつかの症例です。Aさん(20代・女性) は、全身倦怠感があって小学生のときから朝起きられず、10年間学校に通えませんでした。

遅発型食物アレルギー検査をすると、ほとんどの食材に強いアレルギー反応がみられました。治療を行ったところ、半年たったころから、Aさんの全身倦怠感の症状が改善したのです。9ヶ月後に再度行った検査では、食物アレルギーの反応も随分へっていました。

一方で、即時型食物アレルギーの場合は、食物にはじゅうぶん注意しなければなりません。とはいえ、即時型食物アレルギーにおいても、腸内環境を整えることはとても重要です。

食品添加物のとりすぎにも注意しよう!

では、腸内環境を悪くする原因は何でしょうか。 1 つには、抗生物質の使いすぎがあります。全身に炎症があり、あちらこちらの病院で 2 ヶ月にわたって抗生物質を投与されていた31 歳の女の子の症例です。

食事もできなくなり、46 kg あった体重は36 kg に激減していました。抗生物質の長期服用で腸内環境が乱れ、病態が悪化していたことは明らかです。

抗生物質は、肺炎や慢性副鼻腔炎などを起こしているときは、確かに必要です。しかし、長期服用すると、腸内細菌がかなりダメージを受一けます。

その結果、自己治癒力が著しく低下するのです。抗生物質を長期問飲んでも効かないのは、自己治癒力が低下しているからです。抗生物質で病原菌を殺すだけでなく、自己治癒力を高めるサポートをしなければ、腸内環境が悪くなり、病態は悪化する一方です。

また、食品添加物のとりすぎも腸内環境に大きく影響しています。食品を選ぶときは、食品添加物の少ない食品、安心して食べられる食品を、意識して選ぶようにすることが大切です。

ただし、その意識も過剰になる必要はありません。それが、かえってストレスになってもよくないからです。腸内環境が整えば、少しぐらいなら、よくないものを口にしても体が解毒してくれるはずです。まずは、腸の健康づくりに取り組んでください。

大腸内視鏡検査で異常を見つけることも大切です。そしてやっぱり抗生物質を使わずにすむように健康な腸内環境を維持するには腸ストレスを改善する食事が大事なポイントです。