腸の働きと詳しいメカニズム

2012年6月28日

腸の働き

腸の働きを排便だけだと思ったら大間違いです。知られざる腸の機能や腸と体との関係についてみていきたいと思います。まずは、消化管の働きですが、消化管は口から肛門まで、食べたり、飲んだりしたものが体の中を通り抜ける管のことです。その長さはおよそ9mもあります。口から入ったものは消化され、からだにとって必要なものだけが吸収されて残ったものが排泄されます。

口・食道

食べ物はまず、口の中で細かくかみ砕かれて、唾液と混ぜ合わされます。飲み込んだ食べ物は食道に入り、およそ30病から1分で食道を通過し、胃へと送れれます。

胃・十二指腸

胃に入った食べ物は、強い消化力を持つ胃液によってかゆ状に消化されます。これが少量ずつ十二指腸に運搬されます。ここで胆汁や膵液などの消化液によってさらに消化がすすみ、小腸へ運ばれます。1食分の食べ物が胃・十二指腸を通過するのにかかる時間は2~4時間です。

小腸

小腸は食べ物が本格的に消化され、栄養素が吸収される主な臓器です。食べ物は、4時間ほどかけて小腸を通過し、この間に主要な栄養素はほぼ吸収されます。小腸で吸収されず残ったものだけが大腸に送られます。

大腸(結腸)

大腸に送られてくる食べかすは、ドロドロの液状になっていて、一般的に18時間以上かけて結腸を通過します。その間に少しずつミネラルが吸収され、未消化成分が除々に固まって便になっていきます。

大腸(直腸)

直腸に押しだされる時点では完全に「便」になっています。ある程度の便がたまると便意が起こり、肛門から排出されます。

ぜん動運動、分節運動、大ぜん運動

腸の長さは、およそ7~8mで大きく分類すると、大腸と小腸です。このうち、小腸は、6~7mの消化管で十二指腸、空腸、回腸からなり、栄養分の消化と吸収を行い、残った老廃物を大腸に送ります。大腸は、口あるいは、胃からはじまる消化管の最後尾に位置し、老廃物の水分量を調節して便をつくっています。腸は、大きく分けてふたつの運動を行います。食べた物を運搬するために食べ物の残りカスを撹拌する「分節運動」と腸の内容物を肛門のほうへ一方通行的に送り出す「ぜん動運動」です。
大ぜん動運動が起きると、結腸内にたまっていた便は直腸内に移動します。移動した便は、骨盤内臓神経などの知覚神経を介して、脳の中枢に伝達され便意として自覚されます。
脳の指令により便意が起こると、腹筋が持続的に収縮し、横隔膜の働きによって便にある肛門挙筋という筋肉の収縮が起こり、肛門に向かって押し出されます。
当たり前のように行われる腸の働きですが、多くの日本人が食事、運動不足、ストレスや体内リズムの乱れによって異常をきたしています。

消化管の中で最も重要な役割を果たす「小腸と大腸」

消化管の中でも腸は最も重要な器官といっても過言ではありません。消化・吸収だけでなく生命にかかわる重要な働きを担っているのです。その働きを紹介します。

解毒

食べ物の中に含まれる有害成分、体内で生まれる毒素の多くは、路遺髪物となって大腸に届きます。毒の正体は、食品添加物、残留農薬、汚染物質などです。
さらに、老廃物が長時間体内にとどまる事により発生する毒です。
腸内では、これらの毒が集まり、ときに相互作用を起こしながら有害物質や有毒ガスの活性酸素をためこんでいます。
これを便ごと外に出す働きを担っています。水銀などの有害金属、なども排出しています。

免疫機能

人間の体の免疫の役割を持つ細胞には、白血球の中のリンパ球などがあります。小腸はや大腸の粘膜には、全身の6割遺贈のリンパ球が集まっており、体の中で一番大きな免疫系といいます。これを腸管免疫といいます。
ウィルスや細菌などの病原体と有害なものを排除する働きも担っています。
便秘や下痢などの異常が起こると悪玉菌が増え、腸内環境が悪化します。これは腸管の免疫機能も低下しているのです。
腸管免疫にはがん化した細胞を殺す作用もあるため、腸管免疫の低下は大腸ガンになりやすくなるのです。

第二の脳といわれる腸

腸には独自のコントロール機能を備えていることもわかってきました。そして驚くことに脳にも指令を送る働きがあるのです。
これは「セカンド・ブレイン(第二n脳)」と呼ばれています。
腸のぜん動運動は、胃から腸までの長い道のりを経て、最終的に便として排出させるあめに欠かせない運動ですが、それだけではなく便意も起こすのです。
これは、小腸、大腸におよそ1億個もあると言われる神経細胞が深く関わっているのです。このような働きは、19世紀にイギリスで発見されました。腸以外の臓器では、反射運動は、脊髄が関与し、中枢神経からの指示で動いていますが、腸に限っては、ほかからつながる神経を全て遮断しても腸の内部を刺激すれば運動が起こるのです。
腸には、脳や脊髄からの指令を受けずに臓器を動かすことができる神経細胞が存在することも確認されました。
腸は、臓器に直接、指令を出す主要な機関であるとことから第二の脳と呼ばれているのです。

テキスト

腸のメカニズム

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