日本人の50%が腸ストレスを感じている

2012年7月3日

  • 大事な打ち合わせを控えているとお腹が痛くなる
  • 上司からの仕事のミスを指摘されると下痢になる
  • テスト前は便秘や下痢になる

などこんなことは誰もが経験していることです。経験的に知られたストレスと腸の関係。実際に悩んでいる人はどの程度いるのでしょうか?オリゴ糖メーカーが調査しています。
これは、「日本人の腸とストレスとの関係」をテーマに全国600名を対象にアンケートを行いました。
その結果、50%もの人がストレスを抱えていることが確認されました。2人に1人というのは驚異的な数値です。
「日常的にストレスを感じる」という人は9割にもなったのです。こうした場合、どのような症状がおきるかをアンケートしたところ、一番多かった症状は、不眠でした。

夜しっかり熟睡すればするほどパフォーマンスはあがる

これの次に「食べ過ぎ」、「胃腸の痛み」と続きました。
ストレスが腸の不快な症状となってあらわれている人が2人に1人もいたのです。

男女別では、男性は、ストレスを感じるとあらわれる腸の症状が50代以降で目立ち、下痢、食欲不振、便秘と腸に関連する症状が多様です。

女性の場合は、「不眠」「食べ過ぎ」が半分を占めるものの、20代では「肌荒れ」の悩み、40代では、食べ過ぎ、50代だでは「不眠」が主となります。女性は50代からは、更年期症状がありますので「不眠」が多くなるのもうなずけます。
男女ともにストレスが腸にあらわれやすい傾向が認められた調査でした。

自律神経とぜん動運動

ストレスと腸を考える上で自律神経の働きは、見逃すことができません。自律神経とは自分の意志とは無関係に体内のすべての調整を行っている神経で、交感神経、副交感神経の相互作用で機能します。
体を動かして心臓の拍動や呼吸が速くなったりするのは、交感神経です。血圧や血流を増やして活動のための酸素を全身の送る働きです。
一方、これとは正反対で心臓をゆっくりと動かし、体全体をリラックスさせる他働きが副交感神経です。
交感神経と副交感神経がバランスよく働いて、昼は、交感神経が優位に夜は、副交感神経が優位に働くのです。

この自律神経は腸のぜん動運動にも深くかかわっており、具体的には、リラックスしたとき、副交感神経が優位になると、腸の働きがよくなり、排便が促されやすくなります。
逆に緊張して交感神経の働きが優位になると、腸の働きは鈍くなり、排便が抑制されます。ストレスがかかると、自律神経の働きが乱れ、腸の働きが悪化するなど、消化機関にも大きな影響を及ぼすのです。
夜、なかなか入眠できないのは、体が興奮していたり、緊張していて、副交感神経が優位にならないこととが理由です。

朝は、目覚めたときに眠い目をこすりながらぼーっとしている時間は、ウィークデーではツライものです。このぼーっとしてる脳を切り替えるスイッチの役割を果たしているのが脳の中の脳幹毛様体という部分です。
朝のリズムを整えるためには、脳幹毛様体への刺激が欠かせませんが、光、音、味覚、皮膚や筋肉などさまざまなシリーズ刺激に比較的に容易に反応することができます。
朝食に、お茶やコーヒーを飲むことは理にかなっています。カフェインが脳幹毛様体を刺激すると、同時に胃を刺激して大ぜん動運動を促進し、排便を促すものです。
同様に、明るい光を目に入れると網膜や視神経を通して光の刺激が伝わり、脳が覚醒します。また「噛む」という動作によって頬の奧にある筋肉を使うことでさらに脳幹毛様体の働きが活発になるのです。
朝食をしっかり食べる理由はここにあります。また、決まった時間に食事をとることは、自律神経の面からみてもとても大切なことです。

仕事で活動的になっていた脳を休めるタイミングとして昼食は非常に大切です。クールダウンをするには、絶好のタイミングです。
昼食の休憩をとることで午後の仕事や勉強にも活力がでます。昼食休憩がとれずに、交感神経の緊張が続く場合には、腸にもよくないのです。
脳を一時的にクールダウンさせることで腸の運動を誘う副交感神経が活発に働きやすくなります。朝食、昼食は夕食より多く摂った方が体にはよいということです。

夕食~夜

夕方から夜にかけては、交感神経の働きが次第に低下し、逆に副交感神経の働きが優位になります。
夜は脳をしっかりクールダウンさせることがポイントです。夕食などは、あまり明るすぎないところで摂るのがおすすめです。

深夜の睡眠中にも腸は自律的に判断して食べた物を消化・吸収しています。このときの腸の運動には、モリチンというホルモンが働いています。
このモリチンは、夜間などの空腹時に周期的に放出され、消化管に強い空腹収縮を引き起こします。これと同時に消化酵素や消化管ホルモンの分泌を刺激し、消化管内をきれに掃除し、次の食事への準備を行っています。

冷えストレスと自律神経の関係

自律神経を障害させる大きな原因として「冷え」があります。最近は、「体温を○度あげれば免疫力アップ」といった書籍も人気を集めていますが、男女ともに冷えに悩まされる人が増えています。
冷えは、冬よりも夏に悪化する人が増えています。これは、エアコンを中心として過剰に冷やす習慣が原因となっています。
暑さ、寒さに反応して体温調節するのも自律神経の働きですが、エアコンで冷やされた場所に長時間いると、自律神経の働きが悪化します。極端に暑いところから寒いところに移動するのもよくありません。こうした自律神経の悪化は、腸にも悪影響を及ぼします。

便秘は冷えが原因というサイトは、冷えによる便秘の原因をさまざまとりあげています。体の冷えに悩んでいる方は、一度ご覧ください。