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毎日排便があっても腸が絶好調とは限らない

便秘に悩む人は2人に1人の時代ですから便が出ればそれでいい、と思っている方がとても増えています。大切なことなので何度でもいいますが、便は出せばいいというわけではありません。

その出し方、また便の状態も大切なのです。便の状態を詳しく見ていくと、いろいろな身体の状態がわかります。特に生活習慣は便の状態にかなりはっきりと反映されています。

水分不足の方の場合は、うさぎの糞のように硬くコロコロとした便が出ます。このようなケースは、ガスが溜まってお腹が苦しいと思います。さらに水分を摂っているつもりでも水分が十分に腸まで届いていないということも考えられます。

肉を食べ過ぎたときには、肉のタンパク質が分解されるときに腸内のガスのにおいが強くなる傾向があります。よって便が臭く、おならが多く出ます。さらに食物繊維不足の場合、便の量が少なく、長さも勢いもなくヒョロヒョロした状態で残便感があります。

そして経験のある方も多いと思いますが、お酒を飲みすぎたときの便は、腸の働きが過敏になっているため下痢の状態です。またふわふわして形がはっきりしない泥状になっています。

ダイエットしている方の場合は、便が出そうで出ません。そしてすべりが悪く、時間をかけて出したわりには、量が少ないのが特徴です。また運動不足の方の場合、腸の動きが低下しているため、食事のたびにお腹がポッコリと出ます。
そして便意は感じるものの、なかなか出ません。また出ると大量で臭いがきついのが特徴です。

全体的に腸の働きが低下気味の方は、小さい塊がつながっていたり、ソーセージ状の便が出ます。また短時間の間に何回にも分けて出ることが多いようです。これは、腸の停滞によってS状結腸に便が分割して溜まっているのが原因です。

この場合は、食事をする前に、すでに胸やけがしたり、便意を感じにくいというケースもあります。毎日排便がある方でも、自分の便の状態をしっかりチェックしてください。そこで生活習慣や食事の反省や修正、改善をすることで、より腸を健康な状態に戻すことができます。それがすなわち腸のためののライフスタイルともいえるのです。

毎日の便にも注意を払う

便はリアルタイムで腸の健康状態を語る存在です。ではいい便とは、どんな便なのでしょうか?まず形ですが、やや固めのバナナ状、やや軟らかめの練り歯磨き状が理想です。色は黄色、または黄褐色。においはきつくなく、出た後にすっきりとする。

排便回数は、1日1~3回、または2~3日に1~3回です。排便時の状態も強くいきまなくてもすんなり出るのがよい状態です。

便の中身を詳しく知る

さきほど紹介したのは、理想の便ですが、表面にひび割れがあるソーセージ状や、表面はなめらかで軟らかいソーセージ状、あるいはへどのような形状、さらに軟らかくて割れたような小さな塊状であっても健康な状態といえます。

また排便が容易な便は、おしなべて健康の証であるといってよいでしょう。
またわかりやすいのは便の色です。便の色は病気の発見につながることも多いので、排便の状態、便の形状以上にチェックしていただきたいと思います。またすべてが病気に繋がるとはは限りません。しかし少しでも気になったら、専門医のいる病院を受診しましょう。

まず血が混じった便ですが、痔が疑われます。ざらに直腸や結腸にポリープや潰瘍がある場合に血便になることがあります。
血便が連日続く場合は、潰瘍性大腸炎やクローン病の疑いもあります。黒い便の場合は、食道、胃、十二指腸、小腸などに潰瘍があり、その潰瘍から出血していると黒い色の便が出ることがあります。また病気ではなく、肉食が多くて便の成分に消化液の胆汁が多くなっても黒くなります。

血便というより、便全体に赤みがある場合は肛門や大腸から出血しているケースがあります。また、潰瘍性大腸炎や大腸がんの可能性もあります。

さらに、膵臓の病気、胆石症などがあると、バリウムを飲んだときのような白っぽい便が出ることがあります。これらの色に当てはまったからといって、即病気、というわけではありません。通常と違ぅ色の便が出た場合は、注意して数日間はチェックしましょう。
数日でもとに戻ればよいのですが、2〜3週間たっても戻らない場合は、専門のクリニックの受診を検討していただきたいと思います。

排便時の出血と肛門の痛みで痔が心配されたけれどはとむぎ茶で両方とも解消

抗生物質の乱用で腸内環境が悪化自己治癒力が低下

乱れた腸を改善しないと慢性疲労は治らない、体を動かせないほどの疲労

体を動かせないほどの疲労が、6ヶ月以上の長期間続き、日常生活に支障をきたす病気を「慢性疲労症候群」と呼びます。この病気で困っている患者さんは、現在、全国で100万人いるといわれています。

このつらい症状に悩まされ、いくつかの病院で治療してもよくならなかったという人がたくさん来られます。私は、この慢性疲労症候群は、自己治癒力の低下によって起こると考えています。

そして、自己治癒力の低下を招く根本には、腸内環境の乱れが影響しています。そのメカニズムを簡単に説明しましょう。なんらかの原因によって腸内環境が乱れると、腸内の善玉菌減少し、カンジグ菌や酵母菌が増殖します。これらの菌からは菌糸といわれる糸状の触手が伸び、腸粘膜を傷つけます。

すると、腸の粘膜にすきまができて、通常では吸収されない(通れない)大きな物質が、血も液中に漏れ出てしまうのです。これを、「リーキーガット症候群」といいます。のリーキーガット症候群では、食物に含まれる毒素が体内に入ってきて炎症を起こします。

これが、慢性疲労症候群に伴うさまざまな症状の原因となるのです。重金属などが腸内を通過して血液中から細胞内に入ると、「ミトコンドリア」という細胞内器官の機能が低下します。

さらに、カンジタ菌や酵母菌は、有機酸という物質を体内に放出します。それも、細胞内のミトコンドリアの機能を低下させる原因となります。

ミトコンドリアは、全身の細胞の中にあって、エネルギーを産出する働きを持っています。つまり、エンジンのような役割です。その機能が障害されると、細胞がきちんと働けなくなります。

その結果、さまざまな慢性疲労の病態が現れてくるのです。ですから、根本原因である腸を改善しなければ、慢性疲労症候群は治りません。ほかの病院で治療してもよくならないのは、それだけ腸の治療をしている医師が少ないということでしょう。リーキーガット症候群は、「遅発型食物アレルギー」も引き起こします。

遅発型食物アレルギーとは、食物をとってすぐにアレルギー症状が現れる、一般的な食物アレルギー(即時型食物アレルギー)と異なり、食物を摂取したあと、数時間から数日後にアレルギー反応が現れるものです。遅発型食物アレルギーの検査を行って、特定の食物にアレルギー反応が出ると、多くの医師はその食物を食べないように指導します。

しかし、これも原因は腸の異常(リーキーガット症候群)にあるので、食物を除去することが解決にはなりません。ただ、遅発型食物アレルギーの検査は、腸の状態を知る指標として役立ちます。

アレルギーの状態がひどければ、それだけ腸の状態が悪いということです。逆にいえば、腸の状態がよくなれば、アレルギー反応が出た食物も除去する必要がなくなるのです。

いくつかの症例です。Aさん(20代・女性) は、全身倦怠感があって小学生のときから朝起きられず、10年間学校に通えませんでした。

遅発型食物アレルギー検査をすると、ほとんどの食材に強いアレルギー反応がみられました。治療を行ったところ、半年たったころから、Aさんの全身倦怠感の症状が改善したのです。9ヶ月後に再度行った検査では、食物アレルギーの反応も随分へっていました。

一方で、即時型食物アレルギーの場合は、食物にはじゅうぶん注意しなければなりません。とはいえ、即時型食物アレルギーにおいても、腸内環境を整えることはとても重要です。

食品添加物のとりすぎにも注意しよう!

では、腸内環境を悪くする原因は何でしょうか。1つには、抗生物質の使いすぎがあります。全身に炎症があり、あちらこちらの病院で2ヶ月にわたって抗生物質を投与されていた1歳の女の子が来院したことがあります。

食事もできなくなり、46kgあった体重は36kgに激減していました。抗生物質の長期服用で腸内環境が乱れ、病態が悪化していたことは明らかです。

抗生物質は、肺炎や慢性副鼻腔炎などを起こしているときは、確かに必要です。しかし、長期服用すると、腸内細菌がかなりダメージを受一けます。

その結果、自己治癒力が著しく低下するのです。抗生物質を長期問飲んでも効かないのは、自己治癒力が低下しているからです。抗生物質で病原菌を殺すだけでなく、自己治癒力を高めるサポートをしなければ、腸内環境が悪くなり、病態は悪化する一方です。

また、食品添加物のとりすぎも腸内環境に大きく影響しています。食品を選ぶときは、食品添加物の少ない食品、安心して食べられる食品を、意識して選ぶようにすることが大切です。

ただし、その意識も過剰になる必要はありません。それが、かえってストレスになってもよくないからです。腸内環境が整えば、少しぐらいなら、よくないものを口にしても体が解毒してくれるはずです。まずは、腸の健康づくりに取り組んでください。

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長寿者の腸を調べてわかった!腸の若さを保つのは食後の昼寝

副交感神経が優位のリラックス状態が二重丸

昔からよく、食べてすぐに横になって寝ると「牛になる」とか、「行儀が悪い」といわれてきました。ところが、「たけしの家庭の医学」(テレビ朝日系列)という番組では、大変興味深い内容が紹介されていました。それが、「昼食後の昼寝は健康長寿の秘訣だ」ということです。

その番組では、107歳になる、あるおばあさんを紹介していました。普通、年を取ると腸内の代謝が低下するので善玉菌が育ちにくくなり、腸内環境が悪化しがちです。それなのにこのおばあさんは驚くほど若々しい腸内環境を維持していました。

このかたは、昼食後の1時間の昼寝が日課だというのです。食後の昼寝は、健康にいいのでしょうか。消化器専門医の私から見ると、非常にいいことと考えられます。まず、最初の理由は、血液の働きを考えた場合です。食事をしたあと、血液は消化吸収の働きをサポートするために、胃腸に集まります。

ところが、食べてすぐに運動や仕事などの活動を始めると、手足の筋肉や脳に血液が集まり、胃腸に血液がいかなくなってしまうのです。すると、消化に時間がかかり、消化不良を招きます。

この点から、「食休み」は、とても大切なことといえるのです。次に、昼寝をすることが、腸内環境をよくすると考えられるからです。私たちの内臓は、意志とは関係なしに働く自律神経が支配しています。自律神経は、交感神経と副交感神経が、アクセルとブレーキのように括抗して働いています。そもそも腸は、副交感神経が優位になると動きだし、逆に交感神経が優位になると動きを止めます。

つまり、昼寝は完全に全身リラックス状態なので、副交感神経が優位になり、腸の動きがよくなるわけです。

ぬかみそ同様に毎日こねることが大事

それでは、腸が動くとは、どういうことでしょう。腸が動くとは、ぜん動運動が起こっている状態です。ぜん動運動は、腹の内容物を肛門に向かって押し出す動きです。しかし、それとかくはんとともに、腹の内容物を撹拌する動きでもあります。この撹拝が非常に重要です。

腸の中には、100兆個といわれるほど、多くの腸内細菌が棲息しています。腸内細菌は、人が消化できない栄養分を分解して吸収できるようにしたり、たんぱく質やビタミンなどの栄養素の合成にかかわったり、私たちの体に不可欠な働きをしているのです。

ちなみに、腸内細菌をすべて集めると1kgにもなり、排出される便の固形成分の3分の1は腸内細菌の死骸といわれています。

便として出ていく量も多いので、健康を保つためには、新たに腸内細菌をふやしていかないといけません。その腸内細菌は、食べ物として摂取した栄養物と細菌がよく混ざらないと、発酵が進まず、増殖できません。

ぬかみそと同じ原理です。そこで、リラックスをしてぜん動運動を起こし、栄養物と細菌がよく撹拝されるようにすることが必要なのです。これにより、腸内で発酵が進み、腸内細菌が活性化します。こうした観点から、お昼を食べたあとに昼寝をすると、腸内環境がよくなり、健康増進に役立つのです。

食後の昼寝は、腸内環境を改善するための、ゴールデンタイムといってもいいでしょう。ただし、食後に胸やけがある人は、食後の昼寝は注意してください。胸やけを起こす人は、胃酸が食道に逆流している可能性があります。

食後、胃酸が活発に出ているときに横になると、逆流して食道にくる危険が高まるからです。胸やけを起こす人は、食後に横にならず、座ったまましばらく安静にする時間を確保しましょう。

ところで、107歳のおばあさんの食生活は、いろいろと多彩な食品を食べるというものでした。そのため、栄養バランスもよく、それもあって腸内環境の若さが保たれていたのでしょう。ちなみに、腸内環境を良好に保つうえで、便秘や下痢は大敵です。便秘が続くというのは、腸のぜん動運動が不活発な証拠ですし、下痢をすると、発酵して生成された腸内細菌が、働く問もなくすぐに排出されてしまうからです。

便秘にならないためには、とにかく朝起きたら、水なり食べ物なりを胃に入れる習慣をつけるといいでしょう。すると、胃にものが入った刺激が大腸に伝わり、大腸が動きだします。これを胃結腸反射といいます。そして、S状結腸にたまっていた便が直腸に落ちることで、便意を感じるのです。いろいろなものを食べて栄養バランスをよくし、食後はゆつたりと食休みをして腸内環境を整えることが、健康長寿につながるでしょう。

どうしても自力で排泄できない頑固な便秘持ちの人は特定保健用食品のイサゴールがおすすめです。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスがよく自然な排便が可能です。ゆるくなりすぎた場合は量を減らすだけで調整可能です。

腸を洗浄!梅湯流しでたまった宿便が排泄、3日で2kgの減量も

耳の調子が回復!視界もクリアーになった

梅干しにはさまざまな健康効果がありますが、便秘解消の効果もかなりのものです。私は、梅干しのデトックス効果、つまり毒出しパワーを、身をもって実感しています。その体験から、お話ししましょう。

もう7年ほど前のことです。私は、知人から問いて知った、ある断食合宿に参加しました。断食合宿の目的は、腸内で長期間滞った便、いわゆる宿便を取ること。体内の老廃物を排出することで、ダイエットや体質改善、健康の回復に役立てようというものでした。

2泊3日の合宿で、1日めの夕食と2日めの食事を抜き、3日めの朝に、毒出しをします。それが、今回ご紹介する「梅湯流し」です。

断食明けに口にするものというと、重湯やおかゆが最適かと思いがちですが、お米は食欲を増進させる力がとても強いのでリバウンドを防ぐためにも、梅湯流しがお勧めです。

参加者は、たっぷりのダイコンを煮た汁に、梅干しをつぶし入れます。梅干しを口にしながら、まず煮汁を飲み、その後、煮たダイコンを食べるのです。合宿の参加者は40名で、ほとんどの人が、食後30分から1時間以内に、トイレに駆け込みました。そして、食堂とトイレを、何度も行き来します。

くいう私も、その一人。煮汁をどんぶりに2杯飲み、ダイコンを2切れ食べたあたりから、腹部に違和感を覚えました。

ほとんど水のような便に続き、ふだんと違う、ウサギのフンのような便がポロポロと出てきます。周りの人の話でも、コロコロ便や、黒い便など、いつもとは違う便が出たそうで、やはりこれが宿便かと納得しました。

私はこの合宿で、2kgもやせることができました。さらに、耳の聴こえがよくなり、視界もクリア。味覚も鋭敏になりました。五感が研ぎ澄まされ、頭も働き、そのシャープな感覚がしばらく持続したのです。

この体験に味をしめた私は、少し太ったかなというときに、自宅でも、プチ断食と梅湯流しをするようになりました。

断食は、例えば金曜日の夕食と、土曜日の朝食・昼食を抜きます。そして、夜に梅湯流しをするのです。これなら週末だけでできますし、翌日は日曜日なので、自分のペースで体調を戻せるので、安心・安全です。

梅干しは洗剤でダイコンはタワシの役割

なぜ、梅干しとダイコンが、これほど強烈なデトツタス効果を生むのでしょうか。梅干しには、有機酸の1つであるクエン酸が豊富に含まれています。これが、洗剤のような役割を果たし、腸のぜん動運動を促します。

一方、食物繊維がたっぷりのダイコンの役目は、いわばタワシです。つまり、梅湯流しは、洗剤入りのお湯がドッと流れた腹の中を、タワシでゴシゴシ洗うようなものなのです。

腸の中は、断食明けでスカスカですから、細かいひだの中まで、きれいになるというわけです。

梅干しのメリットは、ほかにもあります。断食をすると唾液が出にくくなりますが、梅干しが唾液と胃液の分泌を促進し、胃腸の働きを助けます。また、優れた疲労回復効果があるため、断食後に、エネルギー不足から感じられる疲れの解消にも役立ちます。

梅干しというと、塩分を気にするかたもいますが、実は梅には、ナトリウムを体外に排出する作用があるカリウムも、豊富に含まれています。医師から食事指導を受けているかたでなければ、さほど気にすることはないでしょう。ぜひ皆さんも、梅干しの毒出しパワーをお試しください。

クエン酸の働きはこちら。