よくないとわかっていてもやめられない悪い食習慣

忙しい現代人にとって、「規則正しく」とか「節度を守って」などは、耳の痛い言葉ではないでしょうか。どこかで「こんなんじゃダメ!」とか「よくない」と意識しているからです。
睡眠不足、深酒、不規則な食生活 … 。「体によくないのはわかっているけど仕方ない」というのが本音です。また、しっかりとした食習慣、生活習慣を見直すだけの時間と心の余裕がありません。
生活習慣は、人それぞれです。食生活とともに、家庭環境や社会環境のほか、遺伝的要因などが複雑に絡みあって、その人固有の体質ができあがっています。健康な体質とか病気になりやすい体質というのは、年齢とともに、主に食生活と生活習慣によって変化してきます。
食べる、働く、寝る… … そんな当たり前な日常の、ちょっとした悪い習慣が長い間に積み重なって、重大な疾患へと発展するのが生活習慣病です。なかでも、ガン、心臓痛、脳卒中は三大生活習慣病といわれ、日本人の死因のトップ3を占め、年間の死亡者の約6割がこれらの病気で亡くなっています。

病気を引き起こす生活習慣には、いくつかの原因が複合的に重なっている場合が多く、一つに断定することは難しいのですが、主として食習慣、ストレス、運動不足、飲酒、喫煙などが深くかかわっていることがわかっています。しかし、これらの要因はどれも自分自身でコントロールできることばかり。正しい知識をもとに生活習慣を変えられれば、病気を治したり病気の進行を遅らせることが十分に可能なのです。

肥満に注意

さらに、生活習慣病を引き握こす基本的な原因として注目されているのが、肥満です。というのも生活習慣病の患者は、糖尿病、高血圧症、高脂血症などのうち、複数の病気を併発しているケースが多いのですが、それらは独立したものではなく、互いに関係しあっているのです。一つひとつが軽症であっても、そこに肥満が重なるとたちまち深刻な事態になってしまうのです。

肥満といっても、特に問題となるのは「内臓脂肪型肥満」。内臓脂肪がたっぷりたまった体では、糖尿病、高血圧症、高脂血症の原因となりやすく、しかもそれらがまだ小さいうちに動脈硬化の芽も出てきます。動脈硬化が成長すると、心筋梗塞や脳梗塞という形で私たちの体を襲ってくるのです。
すべては「肥満」が原因のもと。そこで、内臓脂肪型肥満によって複数の生活習慣病が引き起こされた状態を一つの症候群ととらえ、それらをひつくるめてケアしていこうという考え方が生まれました。これが「メタポリックシンドローム(直訳すると代謝症候群)」です。肥満の尺度としてはBMI値が有名ですが、これは内臓脂肪の指標ではありません。WHO (世界保健機構) や、肥満大国アメリカのN CEP (米国コレステロール教育プログラム) などが、メタポリックシンドロームの診断基準を定めており、日本でもこれらを参考に2005年4月、日本人の体格・体質に適合した診断基準が発表されました。内臓脂肪蓄積はCTスキャン撮影で測定しますが、日頃から自分で体の変化をチェックできるように、腹囲の測定が採用されています。
年齢を重ねると、体重の変化がなくても体のつくりが変わり、いつしか内臓脂肪の割合が増えているものです。

生活習慣病だけでなく、同時に免疫力が落ちている

このように、大きな社会的問題になっているにもかかわらず、生活習慣病は増える一方です。個々のレベルではなく社会全体の現象としてみれば、日本が世界有数の長寿国となり、本格的な高齢化社会に突入していることも大きな原因といえるでしょう。日本では現在、約3500万人以上ものの人たちに、アトピー、ぜんそくなどのアレルギー疾患があります。アレルギーでは患者数の増加はもちろん、その症例も非常に多様化してきています。現代社会には、体のリズムを狂わせるまんえん要因が蔓延しています。間違った食生活の指導や農薬や食品添加物、ストレスフルな人間関係、医薬品、電磁波など、さまざまな有害なものが生活の中に複雑に浸透していて、すべてを避けて暮らすことは不可能です。

こうしたものの影響が、体内酵素を慢性的に消耗させ、現代人の体に異変を起こす要因となっています。私たちの体に本来備わっていたはずの免疫力や自然治癒力を、著しく低下させているのです。たとえば、ガン細胞は健康な人の体に常に発生しているといわれています。しかし、免疫力が正常にはたらいていればそれらは除去されるので、私たちは健康でいられるのです。ガン細胞が腫瘍となって体を脅かすまでに成長するのは、長期にわたって免疫力が低下しているために引き起こされるからと考えられます。
免疫力や自然治癒力が低下した状態では、体を正常に保とうとする免疫系自律神経系やホルモン系などの機能がバランスを失い、さまざまな症状となつて現れてくるのです。現在、病気が増えているのは、私たちの体内酵素と免疫力が異常に低下している証拠でもあるのです。

忙しい毎日の中でもう少しからだのこと、そして腸のことを見直す時間をつくりましょう。