肉よりも魚を摂取する DHA EPA 効果

2021年7月17日

肉よりも魚を摂取する ことは腸活のためには必須です。大腸がんの発症リスクとして、牛や豚の赤身肉などが関与している可能性が高いことはすでに周知のとおりです。普段の食生活でも肉を減らす習慣をつけることが健康への近道であることは言うまでもありません。

便秘がくせになっていて、腸が疲れ切っているような人は、大腸のためにはできるだけ肉を控え、魚をとることがのぞましいといえるでしょう。オリーブオイル を使った料理で知られる地中海地域でも、魚は非常によく食べられています。

健康にいいとされる和食の脂肪摂取源の多くが魚です。魚にはさまざまな効用があることが知られています。代表的なものが脂肪酸( 油 )の EPA や DHA です。EPA は油ののった旬の青魚( いわし さんま さば など )に豊富に含まれ、生で食べるとより効率よくとることができます。できる限り、旬の青魚を積極的に摂るように習慣づけるといいでしょう。

DHA EPA には血液さらさら 効果 もあります。

また DHA は同じく青魚のほかまぐろやかつおなど、魚の目のまわりにたくさん含まれています。目の周りは捨ててしまう人が多いかもしれませが、栄養の宝庫ですので、食べるといいでしょう。
EPA や DHA の働きが知られるようになつたきっかけは、北極地方のイヌイットたちの食生活です。動物性の肉をたくさん食べる地方では心筋梗塞が多いのに、イヌイットには、ほとんどそれが見られないことがわかったのです。

イヌイットたちが普段、食べているオットセイやヤアザラシような北の海にすむ動物の脂肪は、牛肉などに含まれている脂肪とはまったく異なることがわかりました。
それが魚の脂肪分の構成成分であるEPAやDHAというわけです。

つまり、EPA や DHA の効果によって、心筋梗塞が予防できることがわかったのです。
その後、魚をよく食べる漁村にも心筋梗塞が少ないことがわかり、魚の脂肪に含まれる脂肪酸が血栓(血管内にできる血のかたまり) を防ぐのに役立つことが裏付けられました。また、心筋梗塞と同じ血管の病気である脳梗塞の予防にも、EPAやDHAが作用していることがわかりました。

日本でも動脈硬化予防の医薬品として使われています。また、うつ病に魚の油が有効であるという研究も報告されています。

「セロトニン」という物質は、神経伝達物質の1つであり、気分の変化にかかわっています。うつ病の人では脳内のセロトニンが減っていることがわかっているのですが、うつ病の人に魚油を摂取してもらった実験では、比較的多くの患者さんに気分の改善効果が認められています。詳しいことはまだ研究段階ですが、魚油の成分がセロトニンを増やすことに関与している可能性があります。

また、DHA は「認知症予防」にも期待されています。もともと DHA は、イギリスの研究で、「子どもの脳にいい影響を与える」という報告がありました。
脳血管型痴呆の患者さんとアルツハイマー型痴呆の患者さんに、DHA をソフトカプセルの形で摂取してもらって全般的な改善度と精神神経症状の変化や安全性について検討した調査では、脳血管型痴呆で改善度がそれほどなかったのに対して、アルツハイマー型痴呆ではかなりよいという結果が出ています。この効果については DHA の血流をよくする効果のほか、脳機能の改善になんらかの影響をおよぼしている可能性が指摘されています。

腸ストレスを改善する食事